【妹さえいればいい。】の紹介

【妹さえいればいい。】の紹介
妹さえいればいい。 2017年秋アニメ(全12話)

おすすめ度:★★★★☆ 好きなキャラ:可児 那由多
原作:ライトノベル(平坂読/カントク) 属性:ラブコメ、職業もの、日常もの、多角関係

監督:大沼心
アニメーション制作:SILVER LINK.

声優:小林裕介山本希望、金元寿子、加隈亜衣、日野聡、鳥海浩輔、代永翼、沼倉愛美、藤田茜

 

の作品は、「妹」に魅入られた小説家の主人公・羽島伊月と、彼の仲間たちとで送る青春物語です。

私はこの作品を、隠れた良作だと評しています。

 

あらすじ

「妹さえいれば人生は常に最高なのに、なぜ俺には妹がいないのか……」

妹モノの作品ばかりを書き続けている妹バカの小説家・羽鳥伊月の周囲には、天才作家にして変態の可児那由多、女子大生の白川京、イラストレーターのぷりけつ、鬼畜税理士の大野アシュリーなど、個性豊かな人物たちが集まっている。

それぞれ悩みを抱えながらも、小説を書いたりゲームをやったりお酒を飲んだり確定申告をしたりといった、賑やかな日常を送る伊月たち。

そんな彼らを温かく見守る伊月の義理の弟・千尋には、ある大きな秘密があって―。

引用:公式サイト

原作は、平坂読氏によるライトノベルで、イラストはカントク氏。略称は「妹さえ」。

(レビュー&感想)

視聴者をふるいにかけるスタイル

少し前まで、「とりあえず3話まで見ろ!」という風潮がありました。1話2話でその作品の世界観や設定、はたまた登場キャラクターの紹介をして、3話から話が大きく動きはじめる……そういうスタイルの作品が受け入れられやすかったのです。

たとえば、かの有名なオリジナルアニメ作品「魔法少女まどか☆マギカ」。この作品は、1話2話が退屈なのですが、3話からドンドン加速するようにストーリー展開が繰り広げられていき、最終的には大人気作品へとなりました。

 

それとは打って変わって、近年では第1話で視聴をやめてしまう「1話切り」をする人が増えてきています。それどころか、つまらなければ開始数分で視聴をやめてしまう人も多くなってきました。そんな中、彗星の如く現れた時代に逆行する作品が今回紹介する「妹さえいればいい。」です。

まずタイトルだけでも「あぁ、また量産型クソアニメか……」と思い視聴しない方がいるかもしれません。

 

それでは内容にふれていきます。

1話開始直後に、金髪の美少女が裸で布団にまたがり「起っきっき♪ 起っきっき♪」「お兄ちゃん起っきっき~」となんだかキモい言葉を発しながら主人公(?)のことを起こしているシーンからはじまるのです。


©平坂読・小学館/妹さえいれば委員会

そして主人公が目を開いたあと、「眠そうだにゃーお兄ちゃん」「そんなねぼすけなお兄ちゃんには――」とキスをするのです。

もうね、ここで視聴を止めようかと思いましたよ私は。

1話開始後1分で切ろうと思ったアニメは、後にも先にもこの作品しかないかもしれません。

だって「〇〇だにゃー」とかいう言語チョイスの古さと、起きがけにキスをされるという童貞の妄想ともとれる展開には鳥肌が止まらなかったんですもん。

 

私は「これはヤバイ作品が出てきたな……」と思い逆に興味が湧き、この冒頭の展開を堪えて視聴継続することに。

続く妹のセリフが「目が覚めっちんぐ? お兄ちゃん」「今日の朝ご飯はアリスの手作りだりゃば。冷めないうちに早く来てにょろ」という明らかにオカシイ語尾の数々に、私の第六感が囁きました。

「これって、わざとこんな古臭い語尾にしているのか?」……と。

 

そして主人公(?)のモノローグに入ります。

妹の入った風呂の残り湯で顔を洗い、妹の温もりの残るブラジャーで顔を拭いてから食卓へ』というモノローグ。ここで第二波が訪れました。「きめぇぇぇぇぇ!!!」。開始1分足らずで二度も視聴を止めたくなるという快挙を達成しました。

 

1話スタートから2分、ついにキモい展開から解放される時がくるのです。

なっんっじゃっこっりゃあああ――――!!と持っている書類を机に叩きつける青年。


©平坂読・小学館/妹さえいれば委員会

そう……小説家である主人公が書いた作品の原稿を、編集者が叩きつけている光景なのです。今までのヤバかった展開は、「小説の内容」であったことが分かるのです。

 

のちのち分かることですが、この作品は、

夢と仕事と恋愛と友情」に関して描いた、隠れた良作的な作品なのです。

 

夢と仕事

ここでメインの登場人物の紹介。

ライトノベル作家の主人公・伊月(いつき)と、その同業者(ラノベ作家)である不破(ふわ)可児(かに)。主人公が通っていた大学の同期・京(みやこ)。主人公の弟・千尋(ちひろ)……計5人がメインの登場人物です。

(左から伊月、可児、京、不破、千尋)


引用:公式サイト

それぞれが夢を持っていたり、仕事やプライベートでの様々な悩みを抱えています。

 

主人公の羽鳥 伊月は、ライトノベル作家としての才能があるにも関わらず「妹好き」という枷があり、万人に受けそうな作品を書こうとはしません。

主人公の書いた小説に憧れてラノベ作家となった可児 那由多は、実は一番才能をもっていて、メイン登場人物のなかでも屈指の天才ぶりが描かれています。

主人公の友人不破 春斗は、一番才能で劣っているけれど、流行を具に分析してそれに合わせたテンプレ的小説を書くことで才能不足をカバーしています。

主人公の同期の白川 京は、自分の周りに頑張っている社会人(主人公たち)が多いなか、将来のやりたいことが見つかっていないことに焦りを感じています。

 

才能があるけどうまく発揮できなかったり、才能がある人への嫉妬があったり、頑張っている人をみて焦ったり、と様々な夢と仕事のお話が絡み合っている作品です。

 

恋と友情

この作品は、恋愛感情がこじれていまして、各々の好意をあらわすと

可児 → 伊月 ← 京 ← 不破」という図式になります。

このように多角関係となっているのです。友情を優先して自分の好意を抑えてしまう人がいたり、周りを気にせず好き好きアピールをする人がいたり、自分の好きな相手が別の人を好きだと知って応援したりと、様々な人間模様が動きます。

 

お酒とボードゲーム

作者の趣味が全開なのか、主人公たちはたびたび集まって、さまざまなお酒を飲んだり、ボードゲームに興じています。アイキャッチ画像でそのお酒の説明だったり、ボードゲームのルール説明をしている本気っぷりには笑いを禁じえません。


©平坂読・小学館/妹さえいれば委員会

それにしても本当に楽しそうにワイワイと遊んでいるのが素敵です。こういう趣味全開な作品は意外にも珍しくて好きですね。

 

演出

これは凄い……と思うのが演出。


©平坂読・小学館/妹さえいれば委員会

毎回エンディングの絵が違ったり、OPに入るタイミングが良く考えられていたり様々な演出が試みられています。毎回お話の終わりは「よし頑張るか」みたいな感じでエンディングに入り、演出のうまさも相まって非常に楽しくみることができました。

ちなみに上の引用画像はエンディングのシーンです。作中の内容にちなんで、スタッフ陣が「全裸派」か「下着派」かを記載されているのが面白い。

 

まとめ

最初の数分で脱落した人も多い非常にもったいない作品。

複雑に絡み合った「夢と仕事と愛と友情」のお話がみたい人はぜひとも視聴していただきたいです。

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